今日は『マラ銀』のワンポイントアドバイスのコーナーです
企業経営者にとって、新規創業も、数年経った企業もそうですけども、
自己資金だけでは、企業の発展、継続をしていくにあたり、時間がかかりすぎる、
若しくは成長の為のチャンスが少ないという場面があろうかと思います。
そこで、タイムリーに 機会損失なくチャレンジできる、
そのためには、
金融機関との取引が必要だという価値観の経営者様向けの話です。
自社の経営の発展、継続を目指すにあたって
財務面で一番重要なのは、金融機関と 信頼関係構築です。
金融機関が応援してくれる関係、応援したくなる関係をどのように構築していくかということを
私の経験から整理してみようと思います、あくまでも私の見解ではありますが
私自身 金融機関職員として勤務した後、経営者として30年間、そのスタンスで
金融機関との良好な関係を続けていると思いますので 多少の参考にはなろうかと思います。
まず、相手を知るという意味で、
金融機関、銀行・信金・信組はどういうビジネスモデルなのか、何で稼いでいるのか・利益を出しているのか
これは言うまでもなく 『貸金金利』で利益を上げています。
私が退職してから 30年経ちますが、預金・貸金(融資)ともに 金利の低下によって多くの金融機関において大きな収益力低下状態かと思います。
そこで、新たな手数料収益を確保しようということで、いろんなサービスに課金をするという状況が見られますが、やはり主な柱は貸金の金利収入ということになると思います。
今はどの程度かわかりませんが、銀行員(金融機関職員)のノルマは結構厳しいものがあります。
ノルマについては、貸金の他に預金とか、口座振替とか、給与とか年金とか、公共料金とか、自社の口座に指定を獲得する事など、様々な項目があって、そのトータルで総合表彰とかいう形で営業成績を公表していました。
現在の渉外係、金融機関で渉外係というのは得意先係とかも言われますが、外回りの営業マンのことです。
おおむね50件~前後の法人・事業者を担当していて、個人も預金管理含めると数百件の担当があるという中で、日々忙しく、外を飛び回っているのですが、実はその中で、銀行員が考えてることは、やはり融資案件の獲得が一番大きかったと思います。
少なくとも私は融資業務が好きだったこともありますが 預金集め40% 貸金60% その他興味なしって感じで動いていました。
私は金融機関職員とのお付き合いはいまだに多く、現役の人たちも 貸金重視、預金はほぼ追いかけていないというのが現状のようです。
なぜ貸金なのかというと…それが一番ポイント高いからです。ポイントが高いということは・成績が上位になる・支店長に認められる…出世するということです。ということで渉外係・得意先係の人たちは、融資を出したい・誰かお金を借りたい人はいませんか~っていう状態で外を回っているということを、まずは共有しておきたいなと思います。
そこで、
渉外・得意先係が日々何を考えて、どう行動しているのか
を共有したいと思います。一般的に渉外・得意先係はとにかく忙しい。でもノルマは徹底的に詰められる。融資出したいけど、出せない人も多い。ということで、融資出しやすい会社・融資出しやすい社長のところに顔を出すということになってきます。そして彼らはいかに融資を出すかっていうことに注力しているので、いろんな情報収集をすします。例えばその第一声は『社長!最近どうですか?』っていう、これは資金需要があるかを聞いています。社長の機嫌や体調の事ではありません(笑)
それと、もちろん本業の事業はどうですかと、数字どうですかっていうことを含んで、返済能力・保全・与信など 探る質問をしています。そして社長のプライベートの話。などへも、展開されるのですけど、それは社長の自宅が、借家か、自分の名義なのか、返済がもう終わっているのか、あとどのぐらいあるのか、子供さんはまだ学生さんでお金がかかっているのか?もしくはもう卒業して社会人になってその負担がないのか自宅は担保に入っているのかいないのか、実家はどうなのかということで、いざとなったときの担保提供であるとか…。
そしてもちろん一番重要なのは決算書の内容。決算書の内容をベースに、渉外・得意先係が融資の稟議書を書くわけです。支店決済であれば、支店長宛の稟議書、本店稟議であれば、本店融資部に提出する稟議書を書くわけです。その際に、決算書の内容はその稟議が通るか通らないかを左右することになります。なお、稟議書を書く立場になると、決算書、損益計算書、貸借対照表です。貸借対照表には 無いほうが良い、注意したほうが良い勘定科目が結構あります。それは何かというと、投資や出資科目、代表者勘定、長期売掛金の未収分、短期、長期貸付金、いわゆる雑勘定は 稟議書を書く立場になると、その内容説明が必要になるので嫌います。その稟議書を書く人が嫌う(融資には不利になる)勘定科目を決算書に記載するのは顧問税理士事務所が基本、社長の了承の上に行っています。
うちは税理士を入れているから安心と言うのですけども、
ここで 多くの経営者と共有しときたいことがあります
税理士事務所の仕事は 税務申告。税金計算のプロです。
決算書を作成して納める税金額を算出する。税務署に向いた仕事ともいえると思います。
更に補足すると 基本的に資金繰りや 金融機関の融資交渉 経営財務に関することは 仕事ではないので、金融機関交渉に向けた 勘定科目構成や いわゆる『良いかをしたBSバランスシート』なんて言葉は知らないと思います
そこで これまでお世話になった お客さんはもちろん
これから創業する仲良しの関係者さんがいらっしゃいましたら
スタートから良い会社にしましょうっていうことを提案したいのです。
良い会社っていうのは、ここでは良い顔したBS・バランスシートの会社ということで、
どんなバランスシートがいい顔なのだいうことも、お伝えしておきたいなと思います。
私も別にそこまで高い意識なかったけども、知っておいた方が良いと強く思います。
これも誰も教えてくれません。私も途中で気づいて 改めて一生懸命勉強したという感じです。
最初から知っておけば
金融機関との信頼関係つくりにも 好印象でしょう
また大きなメリットとして
上場企業はもちろん 内容の良いある程度のレベルの企業とのお付き合いができるとなると
自社にとっても チャンスが大きく広がります
そんな時、信用調査が帝国データや 東京商工リサーチなどから信用調査が入ることもあります。
その際 決算書を見せるのは任意ですが
良い顔したBSを提出できると 企業評価は上がり
優良企業との取引にも有利にはたらくことは間違いありません。